ネギの育て方
ネギの育て方
長ネギと葉ネギは、関東ネギと関西ネギ、根深ねぎと浅ネギなどと言われますが、植物の種類としては近いもので、玉ねぎとは一線を画します。
種も新芽も成長の途中までは全く一緒に見えますが、玉ねぎとネギは別物です。
日本語だけは玉ねぎ、ネギという同じネギという言葉が付きますが、英語では、onionとleekという別物だということが分かります。
分類上も、ヒガンバナ科 ネギ亜科 ネギ属とネギ科 ネギ属という、玉ねぎとネギは全然違う!という位置づけになっています。
つまり、科が違うとだいぶ違うってことになります。
夏野菜はナス科が多く、冬野菜の葉物は、ほとんど全部、アブラナ科だということを考えると、
玉ねぎとネギという差はだいぶあるように感じます。
玉ねぎは彼岸花で、ネギはネギなんだということなのかもしれません。でも、分類というのはよく変わりますので、他の科へ移動するなんてこともあります。まだまだ、わかりません。
でも、球根があるのかないのか、また、ある種の化合物が含まれていることは確かで、その玉ねぎのような涙がでるほどの大量の有害物質?を含んでいるというのもなんだか、ヒガンバナ科というのも納得できるような気がしてしまいます。
そして、ネギというのは長ネギ、葉ネギこそが、ネギなんだ!という主張も感じられます。
やはり、考えていくと、葉ネギや、根深ねぎこそがネギであって、玉ねぎは球根のような存在で別のモノである気がします。
決して、薬味という感じでは使われません。薬味になっているネギこそがネギの醍醐味を存分に発揮できるような気がします。
しかし、ラーメン店でナマの玉ねぎが薬味として置いてあった時はびびりました。これは入れ過ぎに注意してくださいとあり、ニンニクと同じような位置づけなのですが、確かに、すりおろしたニンニクの比ではありませんでした。
びん詰の効力の薄そうなおろしニンニクじゃなく、生のおろしたてのニンニクでも勝てないくらいのパワーを持っていました。
これは最高だと思います。どうりで、血流改善、、、生玉ねぎを食べてくださいなんて健康番組が多いわけです。
それにしても、その理由は、あの涙がでる、ある種の毒のような化合物質のためだと思います。生玉ねぎを薬味のように食べると、ものすごく、体の力が抜け、だらーっとして、血行がよくなり、暖かくなります。
これって、少しの悪くない量の毒で体を麻痺させているんじゃないかっていう気もしますが、人によっては受け付けないという人もいますので、注意が必要です。
それにしても、不思議な使い方でした。
長ネギ、葉ネギに限らず、玉ねぎも薬味にすると、物凄いパワーを発揮するという例でした。
ネギの肥料の量の目安(施肥基準)
元肥として(m2あたり) | チッソ:12g リン酸:30g カリ: 14g 堆肥:2kg |
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追肥として(m2あたり) | チッソ:3g、3g、3g リン酸:0g、0g、0g カリ: 3g、3g、3g *一年をかけて収穫前までに3回程度、施肥 |
ネギの育て方(長ネギ、関東ネギ)
- 土づくり
- 植え溝を掘る
- ネギの苗の用意
- 植え付け
- 追肥・土寄せを繰り返す
- 水やり、育成中に気をつけること
- ネギの収穫
- ネギの保管
ネギは保管できそうで、収穫してしまうとなかなか日持ちしません。
するといえば、するほうですが、それでも短いものです。
家庭菜園ではその自由さがメリットですので、食べるときに収穫するというスタイルをとれば、土に植わっている間は元気な状態をキープできます。
ただ、ねぎぼうずが出てくると、硬くなるということもありますが、一応、食べられないというほどでもありません。
いわゆる土作りですが、関東ネギを作っている所は、さらっとした赤土のところが多いものです。これは有機物をあまり入れてない、元から軽い土であるという、長ネギづくりに重要な条件でもあります。重たいと、溝のような穴を掘ったり、土寄せが大変です。
また、水はけが良い軽い土でないと、深く埋めていくわけでそのうちいに、腐っていくことが有ります。そういう意味でも、軽い土がいいと思います。
重い土の場合には上に盛っていく感じで栽培するといいようです。
元肥を施肥しておきます。長い時間かかるので、できればじわじわ効くタイプの方がいいです。
20cmから30cm程度の穴を掘ります。これを必要な長さだけ進むので、畑では長い溝のようになっていることがあります。そこへ苗を並べていきます。掘って出てきた土を片側に寄せて盛っておくと、ネギを並べやすいです。
苗は大規模であれば作りますが、買うことも出来ます。長ネギの場合、家庭菜園の個人レベルで作ると、ネギはかなり少量で良いのですが、苗は結構な値段がして買ったほうがいいのか、作った方が高いのでは?という状態になりますが、そこは気にしないでやったほうがいいと思います。
長ネギは、玉ねぎとは違いシビアな時間との戦いはないので、苗を作るところから始めても楽しめると思います。
ネギを並べていきます。ただ、ひたすら、並べていきます。生産者の例でも、2,3センチおきに植えていくという超密植栽培です。直径2cmで間隔が5mmとなります。
さすがにこれでは近いと思いますが、それだけ密植していいというのが最大の利点であり、儲かる由縁でもあります。
あとは、じわじわと育てていきます。
必要な大きさにするだけなので、様子を見て追肥をしていくのがいいのですが、なくとも育ちます。
土寄せは、長く育てたい時には必要です。
ネギほど乾燥に強いものはないといいますが、水やりは必要ありません。ただ、真夏の異常なもう初期には葉が白くなってしまいますが、ここで水をやっても、焼け石に水ですので、何もしません。でも枯れることはありません。
好きなときに好きなサイズで取ります。
引き抜くと意外と切れるときがあります。一応、となりの地面から土を掘って、傷めないように収穫します。
長ネギ、根深ネギの苗の作り方
- 播き床を作る
- ネギの種を播く
- 保湿、寒冷紗を設置
- 苗の育成
- 苗の乾燥(輸送、保管する場合など)
水はけのよい、なにより、清潔な土を用意します。ある程度の細かい粒のある感じが良いです。
専用のものがいいのですが、ない場合は、極力、乾燥した、日当たりのいい場所にあった土を利用します。
実に簡単で何も考えることはありません。筋蒔きで播いてきます。
密集しても大差ないというものであり、あまり気にせず播きます。
とにかく、小さい、細い、弱い、雨で溶ける、、
それがネギの、長ネギの特徴ですので、発芽直後はとにかく雨にうたれないようにします。
そして、乾燥にも強くないので、水やりはある程度乾いたらあげるようにします。
長ネギ、根深ネギの栽培
ネギの種です。タマネギの種よりは少し小さいです。 | |
葱の発芽は不思議な形で新芽が伸びてきます。 折りたたみ式になっていて、最初は2つに折れ曲がっています。 それが、昆虫の羽化のように殻から葉が抜けだして、最初はシワシワで折り目が付いています。 |
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徐々に成長していくと、時間とともに折り目のあった葉はまっすぐに生きの良い葉になってピンとしてきます。 | |
まずは、ネギの苗を作ります。 よく耕して肥料をまいてから種をまきます。 筋蒔きすると楽でいいです。 |
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長ネギ、関東ネギは土寄せして地面に茎を埋めることで緑色にならずに白いまま成長していきます。 土寄せする高さもかなりのものなので最初から穴を掘って植えていく方法が多いです。 |
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これは苗が大きくなったものですが、このような植え方では、土寄せもできませんので、ネギの白い部分作ることができません。 このままでも育ちそうに見えます。そして、普通にほんとうに植える時でも株間は3cmでいいくらいです。苗作りと大差ないわけですが、広い場所では、畦として通り道を作らないと、土寄せ、作業ができなくなります。 この場合は日当たりも悪くなるので、畦間は広くとったほうがいいです。 ひたすら、このまま大きくしたら、白い部分がない、短い、太いネギができますが、それは食べる部分が5センチとかというとても凄いネギです。 |
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はじめは土に埋まりそうなくらい深い穴です。 しかし、時期にこの溝から飛び出して成長していきます。 これが、本圃場へ植えたネギです。どう見てもぶつかりそうです。 山になっているのは埋め戻しのためです。最初に深く埋めると根が腐ることがあるそうです。また、成長点である、葉の付け根に土をかぶせると、いたんでしまいます。 これをみると、異様な光景であり、海外のポロネギでは出来ず、葉が垂直に少しだけ伸びる日本の特徴的なネギだからこそできる植え方です。 左右に葉が広がると大変です。 あっというまに収穫してしまうのでこういうことでいいようです。そのため、狭い面積で高単価という特徴をもっています。 土寄せに手間がかかるといっても、今はこういう高い山のように土を盛り上げて、穴を掘るのも機械がやってくれるわけですから、あとはこれを崩していくだけですので、手間という手間もかからないわけです。 都会近くの狭小地では、どこをみてもそこらじゅう、ネギばかりが植えてあります。 |
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.ほんとうにこれはバランなのかというほどに、びっしりと隙間なく植えられています。これで成長するということができるのが不思議です。 | |
溝の中に土寄せをするときに肥料を混ぜて追肥をしていきます。 しかし、とても綺麗にまっすぐと長くできています。こういうのはこだわりどころだと思います。 |
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これはかなり成長して収穫間近です。 溝と山が逆転しています。 |
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地表面からは少ししか出ていませんが、かなりの深さにネギがもぐっています。 こういう高い山にしておくことで、地面を掘らずに、崩すだけで収穫できる、とっても手間いらずのネギができます。はじめてこれをやろうとすると、なかなか山ができずに、すぐに崩れてきてしまうことに気が付きます。こまめに山をもっていかないと、この状態を維持できません。 畑の崩れやすい土ではとてもこういうふうにするのは大変なことです。 |
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もうこれだけ立派になると収穫を待つばかりです。 暑さと乾燥のため葉先が枯れてきました。 |
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まだまだ、短い方ですが、白い部分がながい、関東ネギ、長ネギが収穫出来ました。 お店で売られているときは、根と葉先がカットされ、綺麗に洗われ、高いものは1本100円近い値段で、ぴかぴかのネギとして売られています。 ネギは場所を取らずにそれほど失敗が少なく、高く、人気がある定番野菜なので、生産するにはいいようです。 |
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長ネギはこの白い部分が可食部とされています。ここが長くて太い、綺麗というのが最高にいいとされているようです。 鍋に入れる葱は太い白い部分が長い葱だと思うので、関東葱という言い方は適切ではないかもしれません。 しかし、鍋に入れるなら下仁田ネギが最適ですが、そうそう使えるほど安くてにはいりません。 |
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葉の部分はあまり食べません。 太くなってしまったネギの葉はやはり硬いです。 |
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どこまで食べたらいいのかという限界を目指して葉の付け根くらいまで使ってしまいます。 | |
このように一本葱は分けつせずに、軟白化させて長く伸ばして、白い部分がほとんどを占めるような葱になります。 |
ネギというのは凄いものです。
多分、野菜というジャンルでは一番凄いです。
何が凄いって、スーパーのスタメン野菜だからです。だいたい、何かの例えにもネギが買い物袋の先端から飛び出していると、それだけで、庶民派な感じがしてしまうという素晴らしいアイテムです。こんな野菜他にはありません。
そして、なぜか、人はみなネギを買います。意味もなく買います。一週間で何回か必ず買っているはずです。
つまり、それだけ、レパートリーが広い食材なのです。一体、ネギで何種類の料理が作れることでしょうか?1000やそこらはあるのではないでしょうか?
こんな凄いネギがさらに凄いことに長ネギでも、一年中、スーパーの青果売り場から消えることはありません。ネギ売り場は一年中ネギ売り場のままです。
決して、他の野菜に座を譲ったりしません。
特に長ネギが買い物袋から飛び出している姿が最高です。
これはもう、どこでも共通の家事をしていますっていう証拠であり、不変のものだと思います。これからも変わらず、ネギの存在は光り輝いていることでしょう。こんなにネギが好きな地域て日本くらいしかないのではないでしょうか?
多分、一番、ネギを食べているのは日本?っていう気がします。玉ねぎじゃなくて、ネギの方です。
ネギの病気と害虫
- さび病
- べと病
- 軟腐病
- 萎黄病
- ヨトウムシ
- アブラムシ
- ネキリムシ
- ネギハモグリバエ
- ネギアザミウマ
いわゆるアブラムシではなく、そう呼ばれているカメムシの仲間です。
ネギはなんだか、まだら模様に葉が白くなったり、黄色くなったり、なにより多いのが、虫がかじったりしていて、ネギの空洞の中に居たら嫌だなどうしようというのが、一番困ったことです。あれだけ、防虫作用の強そうな臭がするのに、これを食べる虫がいるわけです。
だいたい、葉が多少虫が入り込んで、ハモグリバエが入っていても食べてしまうことも多いですが、そういうのを気にするようならば、買ったほうがいいです。
浸透性の農薬を使って完全にネギが防虫されるようにしないとだめかもしれません。
太くて甘いネギの作り方−ポイント
- 肥料をたっぷりと効かせる
- 寒さに当てる
- 日光がよく当たるように
- 十分な株間を開けて植える
これはある意味、相反することでもあるのですが、とりあえず、有機野菜は美味しい、甘い、などと言われますが、それがいいか悪いかは別として、とりあえず、とりあえず、甘いだけでいいなら有機肥料のような、長期間に渡り、分解され、吸収され続けるような肥料を与えておくと、太くて甘い成分の素がネギに溜まっていきます。
緩効性の化成肥料もあり、有機肥料よりも効率化して与えることも出来ますが、肥料は毒にもなりますので、あくまでもほどほどにというのがいいようです。
一般的に、凍りそうになった時に甘い、糖分を出して固まらないようにしようという働きがあるようで、基本的に野菜は甘くなります。これは冬の話です。糖類というのはネバネバしたものが多いのですが、まさしく、ネギの汁はどろっとしていて、ねばっとしていて、アロエエキスのようです。これは糖類に違いないと感じるのです。
これは十分に甘いと感じられるような要素がネギにはあるということで、いくらでも甘く出来るはずです。寒いのはさらに甘さを加速させるわけです。
なんといっても、糖類の生成には光合成が必要で、光と水と養分があれば可能です。このため、光を与えます。与えると言っても、よく日が当たる場所に日がさえぎらないように、ネギを植えるということです。ネギは背丈が低いので、他の作物の影になってしまわないように気をつける必要があります。
これはネギの本来の吸肥力を最大限に発揮させるように、根を張らせようということです。
植物は自分以外の生体の根があると、それを成長させなくしようとする力が働くようで、根が育ちにくくなります。
もし、根どうしがぶつかっていてもいいなら、寄せ植えがもっと一般的で超密植栽培だっていいわけです。
それなのに、なぜか、かなり広くスペースをとるわけです。それは根だけを見れば1つの容器にいれて栽培すれば水耕栽培だって相当楽なはずですがそれはしません。
1本の植物だけなら、根が植木鉢いっぱいになってもよく育ちます。しかし、二本あると、どちらかが弱り気味であることが多いですし、2本を足しても1本には全く及びません。
根がぶつかることで成長が阻害されているわけです。
ネギはじゃあ、3cmという間隔で根がぶつからないのか?ぶつかると思います。
しかし、それでも育つという驚異的な成長力であるのです。それにしても、土に茎を植えて軟白化してるわけですから、普通は根腐れ、植物が腐るということになるのですが、ネギは平気です。
それだけ強いものなのです。
海外にはポロネギというネギがあり、とても巨大化する!
これは、巨大 ネギと、画像検索すればわかるように、海外には足の太ももくらいのネギがあります。これは巨大化しようとして競ったものですが、ネギのパワーが分かります。
ネギが優れているのはその成長力であり、とてつもありません。
ネギが足くらいになると、日本料理では使えない硬さになるでしょう。また、海外のポロネギは葉の形が違うように観葉植物みたいになっています。つまり、中身が空洞のはではなくてぺっちゃんことした葉になっています。
とてつもない大きさの下仁田ネギみたいなネギがあるということです。
丸いものは、頭の大きさくらいに成長しています。これらは全て、ネギの吸肥力がなせる技です。
二本のネギが巨大化するかといえば、一年で収穫せずにおいておくと、2年目というのがあります。これは下仁田ネギが2年近くも栽培しているように、太くなります。
おそらく、花が咲かなければ、ひたすら巨大化できると思いますが、普通のネギはしません。
普通、植物は花が咲くと枯れてしまうものもありますし、冬にかれるものとあります。
ネギは葉ネギと一本ネギとがあり、葉ネギは分けつするものが多いです。つまり、大きくなる前に、蕪分れしてしまい大きくなりません。
一本ネギは分けつしません。大きくなる要素があるのですが、しかし、埋めているわけで土中でそれだけ埋めていると腐ると考えられます。とくに雨期がある日本では無理でしょう。
埋めなければ下仁田ネギ同様に短いネギができます。おそらく、ありえる形態としては、寸胴タイプの巨大ネギですが、無理でしょう。ポロネギは、葉が薄くてたくさん伸びてこれますが、日本のネギは空洞で丸い葉で場所をとるため、それほど、葉数が増えないでしょう。そのため、長い年月かけて成長を続けさせるには厳しいように思えます。